Q4 自動車衝突荷重に関することです。下記の3点についてお教え下さい。
(1)連続基礎に設計に用いる衝突荷重
道路土工-擁壁工指針では、支柱式防護柵の衝突荷重としてA種が50kN、B・C種が30kNとされていますが、車両用防護柵標準仕様・同解説の中の「連続基礎の設計」(p133)ではA種が55kNになっています。この55kNの根拠を教えて下さい。
(2)支柱の埋め込み方法で衝突衝突荷重を変えるべでは
擁壁工指針では、ガードレールの埋め込み方法について説明をされていませんが、「砂詰め固定」か「モルタル固定」かによって衝突荷重を変えるべきではないでしょうか。
(3)支柱の長さを短くした場合の衝突荷重
A種ガードレールの場合、路面からビームまでの高さが0.6mになっていますが、擁壁の天端を路面より高くして、擁壁天端からビームまでの高さを0.4mとした場合においても衝突荷重はP=50kNとして良いのでしょうか。
A
(1)突荷重の根拠
連続基礎を設計する際の荷重は、実車による衝突実験を行って設定されたもので,車両衝突時に防護柵を介して連続基礎に伝わる荷重を計測して、その荷重をもとに連続基礎を設計する際の荷重を設定したものです。詳細は,(財)土木研究センター発行の「土木技術資料」,平成16年6月に掲載されている論文「防護柵連続基礎の設計方法に関する検討」をご覧になって下さい。
(2)支柱の埋め込み方法で衝突衝突荷重を変えるべでは
擁壁工指針では,ガードレールにA種を使用する場合には50kN,B・C種を使用する場合には30kNとなっています。この衝突荷重は、「コンクリートに埋め込み深さ400mmの砂詰め固定で設置する支柱の最大支持力」(車両用防護柵標準仕様・同解説のp109)です。
「モルタル固定」によって埋め込む場合には、車両用防護柵標準仕様・同解説のp109に示されているようにA種の場合には60kN、B・C種の場合には40kNを採用する必要があります。
(3)支柱の長さを短くした場合の衝突荷重
A種ガードレールの支柱の最大抵抗モーメントは,砂詰め固定の場合Mu=50kN×0.6m=30kN・mです。擁壁天端からビームまでの高さを0.4mとすれば,衝突荷重はP=30/0.4=75kNとなります。
モルタル固定にすれば,Mu=60kN×0.6m=36kN・mであるので,P=36/0.4=90kNとなります。
なお、防護柵の高さのとり方については、基本的に車道面を基準にとることになっていますが,防護柵を車道端部から相当程度以上離す場合で、車輪が縁石等に乗り上げて防護柵に衝突する場合には、その分を高く設定してよいことになっています。
詳しくは,防護柵の設置基準・同解説をご覧になって下さい。
Q3 道路土工-擁壁工指針の発刊の時期
平成23年3月中には,擁壁工指針が発刊されるとお聞きしていましたが,4月になっても発刊されていません。なぜ遅れているのでしょうか。発刊はいつ頃になるのでしょうか。
A
日本道路協会に問い合わせしたところ,書籍の発刊直前で東北地方太平洋沖地震が発生し甚大な被害が発生したことから,新しい基準について実地検証を行っており,その進み具合如何で発刊時期が決まるようです。
Q2 道路土工指針の発刊時期
これまでに道路土工要綱(H21.6)、盛土工指針(H22.4)、切土工・斜面安定工指針(H21.6)、カルバート工指針(H22.3)が発刊されているのですが、擁壁工指針、軟弱地盤対策工指針、仮設構造物工指針についてはまだ発刊されていません。発刊時期を教えて下さい。
A
6月の情報では,擁壁工指針と軟弱地盤対策工3日に指針については10月~11頃に発刊されるということでした。しかし9月13日に得た情報によると,年内の発刊は無理のようです。年度内には発刊されるだろうということです。
仮設構造物工は今回は改訂されません。
Q1 道路土工指針の改訂のポイント
約10年ぶりに道路土工指針が改訂されていますが、改訂のポイントを教えてください。
A
改訂のポイントは下記の4つです。
①最新の技術を反映
10年が経過する中で技術が進歩し内容が陳腐化したことから、最新の技術を反映して見直しを行った。
②使い勝手が良いように再編成
従来は土工要綱と指針が8分冊になっておりユーザーにとって不便な面があった。土工要綱と6分冊の指針とに再編成をすることにより使い勝手を良くした。
③豪雨・地震対策を強化
依然として自然債ガスが多発していることから、近年の豪雨・地震による被害事例を踏まえて最新の知見を(経験等から得られた教訓)を反映させた。具体的には、土工構造物の排水処理と締固め、丁寧な施工と施工管理の重要性を強調した。
④性能設計の枠組みを導入
道路橋示方書などと共通した設計体系にするために、性能設計の枠組みを導入した。
性能設計の基本的な考え方は、「土木・建築にかかる設計の基本」に基づいている。